自動車のスペックを測る数値として自動車が止まった状態(0km/h)からフルアクセルで100km/hまでに到達する時間「0-100km/h加速」があります。
一昔前では3秒を切れば、とんでもなく速いと言われていましたが、現在ではあらゆるメーカーの技術が進化しており、3秒どころか、2秒を切ってしまう化け物級のクルマも存在します。
そこで今回は、自動車の0-100km/h加速ランキングを紹介します。
アスパーク・アウル / 1.72秒

アスパーク・アウルは、大阪の人材派遣会社であるアスパーク(ASPARK)が開発を進めているエレクトリックハイパーカーです。
専門人材の派遣やロボットなどの製造受託を行なっていたアスパークは、2017年のフランクフルトモーターショーでEVスポーツカーのアウルを発表し、ハイパーカー市場への参入を果たしました。
モーターには「パーマネント・マグネット・シンクロナス・モーター」と呼ばれる4基のモーターが搭載され2012馬力という最高出力を発揮し、最高速400km/hを誇ります。
ちなみに、アウルとは英語でフクロウやミミズクを意味しており、EV=静かなクルマというイメージからアウルと名付けられました。
そんなアウルの新車価格は、290万ユーロ日本円で約3億6500万円で、生産台数は50台限定となっています。
リマック・ネヴェーラ / 1.85秒

リマック・ネヴェーラ(Rimac Nevera)は、クロアチアの電気自動車メーカーであるリマック・アウトモビリによって製造・販売しているハイパーEVカーです。
ネヴェーラとは、スペイン語で地中海の「嵐」を意味しますが、「冷蔵庫(nevera)」という意味もあります。
H字型にレイアウトされた6960セルのリチウムマンガンニッケルバッテリーを搭載しており、その蓄電容量は120kWh、1度の充電での航続距離は、およそ547kmになります。
バッテリーをボディの下中央の低い場所に搭載することで、低重心を追求しており、前後重量バランスは48対52という比率になっています。
最高速412km/hを発揮し、世界でも数少ない400km/h越えのスピードが出せるハイパーカーとなっていますが、最高速がリミッターによって、352km/hに制限されています。
そんなネヴェーラの新車価格は、日本円でおおよそ2億7000万円となっています。
ピニンファリーナ・バッティスタ / 1.86秒

ピニンファリーナ・バッティスタは、イタリアのデザイン工房会社であるピニンファリーナの親会社であるインドの自動車メーカーのマヒンドラが立ち上げた新ブランドです。その最初の市販車として製造・販売されたのが、EVハイパーカーのバッティスタです。
車名のバッティスタとは、ピニンファリーナの創設者のバッティスタ・ファリーナ(Battista Farina)氏に敬意を表す形でネーミングされました。
フル電動ハイパースポーツとして開発されたバッティスタは、独自のローンチ制御技術により、0-100km/h加速はF1マシンをしのぐ2.0秒以下、最高速は350km/h以上を発揮します。
パワートレインをはじめとするEVとしての主要メカニズムは、上記で紹介したリマックのものが採用されており、最高出力1900PS、最大トルク2340Nmを発揮し、航続距離は最大476kmを実現しています。
正式な新車価格は明らかにされていませんが、欧州価格の邦貨換算ではおよそ2億円~2億5000万円と言われています。
紅旗S9 / 1.9秒

紅旗S9は、中国の第一汽車が自社の高級ブランド「紅旗」から製造・販売をした初となるハイパーカーです。
中華人民共和国建国70周年を祝うための特別モデルとしてデザインされ、70周年にちなんで世界限定70台生産とされました。
紅旗S9デザインの指揮をとったのは、フォルクスワーゲン・シロッコやアウディ・TTなどを手掛けた、イタリアのカーデザイナーであるワルテル・デ・シルヴァ氏です。
基本的な構成はV型8気筒ターボエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッドとなっており、合計出力は1400馬力を超えます。
そんなS9の新車価格は、コンセプトモデルが約1億6300万円となっていましたが、量産モデルの販売価格は明らかになっていません。
テスラ・ロードスター / 2.1秒

テスラ・ロードスターは、アメリカの電気自動車(EV)メーカーのテスラが、製造・販売しているEVスポーツカーです。
小さめのボディに強力なモーターを3基搭載するこのモデルは最高速度が時速400kmを超え、わずか1.9秒で時速96kmに達するなど見た目からは想像できないぐらいの加速力を備えています。
モーターやバッテリーなどのスペックは明らかにされていませんが、0~100km/h加速は2.1秒、最高速は400km/h以上で1回の充電で、およそ1000kmの航続を可能と言われています。
また、テスラのイーロン・マスクCEOは、この現行モデルの新型ロードスターに、代表を務めるスペースXのロケット技術である「スペースX ロケットスラスター」を設定すると発表しており、0~96km/h加速は1.1秒で駆け抜けることが可能と伝えています。
そんなテスラ・ロードスターの新車価格は、2270万円となっています。
テスラ・モデルSプレイド / 2.1秒

テスラ・モデルSプレイドは、テスラ・モデルSの構成のブランドとして世に打ち出されました。
3基の電気モーターを搭載しており、最高出力1020psを発揮し、0-100km/h加速は2.1秒、最高速度は320km/h以上と言われています。
モデルSのロングレンジ仕様が最高出力670psであるため、両車を比較すると1.5倍以上の最高出力をモデルSプレイドは発揮することになります。
また、1回の充電における航続距離は637kmとなっています。
欧州向けのみの販売となっており、新車価格としては13万8990ユーロ日本円でおおよそ1910万円となっています。
ブガッティ・シロン ピュアスポーツ / 2.3秒

ブガッティ・シロン ピュアスポーツは、「ブガッティ・シロン」のスペシャルバージョンとして製造されました。
フロントリップスポイラーは、前方に突き出た専用デザインで、最大のダウンフォースを生み出すしようとなっており、ミッドシップには、2ステージターボ化された8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載しています。
最大出力は1500hpとベースモデルのシロンと変わらないが、発生回転数は6700rpmから6900rpmへ、200rpm引き上げられており、7速デュアルクラッチの「DSG」は、全体のギア比を15%クロスレシオ化されています。
また、6速ギア選択時の60-120km/h加速のタイムはベースモデルよりも41%速い4.4秒となっている一方で、最高速はリミッターによって350km/hに制限されるしようとなっています。
そんなブガッティ・シロン ピュアスポーツの新車価格は、おおよそ3億5440万円で、限定60台の生産となっています。
ダッジ・チャレンジャSRTデーモン / 2.3秒

ダッジ・チャレンジャーSRTデーモンは、アメリカの自動車メーカーであるクライスラーがダッジブランドより販売しているSRTヘルキャットの限定生産のワイドボディで、ドラッグレースレベルのパフォーマンス仕様として打ち出された車両です。
エンジンは、6.2L・V8 HEMIエンジンを4.5Lの容量を誇るスーパーチャージャーで過給し、100オクタンガソリンで851ps&106.4kgmを発揮します。
ドラッグレースで勝利するために、ヘルキャットエンジンをさらに改良し、840hpを叩き出すまで引き上げられており、0-100km/hの加速が2.3秒、最高速度が326km/hまで到達します。
また、助手席や後部座席、スピーカー、トランクトリム、パーキングセンサー、インシュレーターなどを取り外すことで、従来のSRTヘルキャットの2,027 kgの縁石重量に対して105 kgの軽量となる1,922 kgにまで軽量化が図られています。
2018年モデルの1年限りでアメリカ国内で3000台、カナダで300台の計3300台の限定発売されており、新車価格は、おおよそ1,000万円と言われています。
ブガッティ・ディーヴォ 2.4秒

ブガッティ・ディーヴォは、ブガッティ・シロンのハイパフォーマンス仕様として、販売されました。
エンジン形式はベース車両のシロンと同じ8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載しており、スペックも最高出力1500馬力、最大トルク163.2kgmと変わりはないですが、各部で軽量化が図られており、車重はシロンより34kg軽い1961kgとなっています。
また、ディーヴォの最高速は380km/hに制限されており、シロンが最高速420km/hを引き出す際に必要なトップスピードモードは装備されていませんが、横加速度に関しては、ディーヴォは1.6gに達すると言われています。
ちなみに、車名のディーヴォとは、1920年代後半に「タルガ・フローリオ」で2度の優勝を果たして活躍したフランス人レーシングドライバー、アルバート・ディーヴォ氏が由来となっています。
そんなブガッティ・ディーヴォの新車価格は、おおよそ6億3,000万円されており、世界限定40台の生産となっています。
ハイペリオン・XP-1 / 2.5秒

ハイペリオン・XP1は、アメリカのカリフォルニア州を拠点とする水素エネルギーの新興企業「Hyperion」(ハイペリオン)が、2020年8月に発表した電動スーパーカーです。
ハイペリオンとは、、ギリシア神話に登場する神である。その名は「高みを行く者」を意味します。
まるで、SF映画に登場するようなボディは、カーボンチタンモノコックと軽量ボディワークにより、車重はわずか1,032kgとされています。
搭載されているパワートレインは、プロトン交換膜燃料電池、炭素繊維水素貯蔵システム、およびウルトラキャパシターエネルギー貯蔵技術を含む水素パワートレインなど複数の電気モーター、全輪駆動を備え、3速トランスミッションと組み合わされます。
航続距離は1,635km、0-100km/h加速では2.5秒、最高速度355km/hの圧倒的パフォーマンスを誇り、5分以内に充填が完了できます。
そんなハイペリオン・XP1は、300台限定生産となっていますがが、新車価格は正式には公表されておらず、3億円を超えるとも言われています。
フェラーリ・SF90ストラダーレ / 2.5秒

SF90ストラダーレは、フェラーリの歴史上初となるプラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル(PHEV)で、最もパワフルで俊足な市販ロードカーです。
その最大の特徴はフェラーリ初となるプラグイン・ハイブリッド・システムを採用し、8気筒ミドシップ市販車で初となる4WDを備えることにある。
3.9L V8ターボ・エンジンはフェラーリ8気筒モデル史上最高となる780psを発揮し、ここに3基のモーターによる220psが加わり、トータルの最高出力はフェラーリのロードカーとして最大となる1000psにも達します。
SF90ストラダーレノという車名は、2019年シーズンのF1グランプリに参戦するF1マシンSF90の名を受け継ぎ、イタリア語でロードカーを意味するストラダーレを組み合わせて名付けられました。
そんなフェラーリ・SF90ストラダーレの新車価格は5,400万円からとなっています。
まとめ
今回は、0-100km/h加速ランキングを紹介しました。
初めて見るハイパーカーや初めて聞くメーカーの車あったかと思いまが、そのほとんどがごく僅かな生産数となっているため、現在でもほとんど目にすることはないでしょう。
しかし、今後さらに技術は進歩し、私たちの生活において今回紹介したような化け物級のクルマが日常的に見れるかもしれません。また、0-100km/h加速が1秒を切ってしまうクルマ登場する日も近いかもしれませんね。

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