今後タイヤ業界が大きく変わる!?
今、空気がいらずパンクもしない、魔法のようなタイヤの開発が急速に進めらている事をご存知でしょうか?空気がいらないことから「エアレスタイヤ」と呼ばれるタイヤは、次世代のタイヤとして世界中で注目されています。今回はそんな魔法のようなタイヤについてご紹介します。
エアレスタイヤの構造は?
エアレスタイヤとは一体どのような構造をしていて、従来のタイヤと何が違うのでしょうか?
従来のタイヤ

普段、私たちが運転しているクルマのタイヤには高圧の空気が充填されています。タイヤに充填された空気によりクルマの重さを支え、路面の衝撃を吸収したり、バネのような働きもしています。タイヤの空気圧が不十分だったり、タイヤがパンクしてしまうと、車の走行に支障をきたし、事故につながります。また、空気入りタイヤはその大半がゴムで形作られていますが、外からは見えないゴムの中にスチールや繊維材も使われています。
エアレスタイヤの構造

エアレスタイヤは、従来のタイヤと違って空気を必要とせず、タイヤ表面部分とリムの部分とが『ブレード』と呼ばれるスポークでつながれています。このブレードはプラスチックのような熱可塑性(ねつかそせい)樹脂で形成されており、非常に耐久性のある構造となっています。このスポークにより、走行中に釘などを踏んでしまってもパンクをすることがなくなります。
エアレスタイヤにはどんなメリットや特徴がある?
パンクがない
もちろん上記の通り、空気を必要としないのでパンクを心配する必要がありません。従来のタイヤですと、走行中に釘やガラスなどを踏んでしまうとバーストしてしまい事故につながります。運転していてもパンクの心配がなくなると安心して運転できるのは非常に大きなメリットになりますね。
燃費向上
エアレスタイヤからだといって従来のタイヤより燃費が悪けれが意味がありません。エアレスタイヤは空気圧の変動による偏摩耗の懸念も必要ないので常に最適なタイヤの状態で走行できます。無駄なエネルギーロスの発生を防げますので燃費の向上にもつながります。
メンテナンス不要
空気を必要ととしないので、普段目で確認できない空気圧の点検が必要なくなります。ただ全くメンテナンスが必要ではないという訳ではなく、目に見えるひび割れなどはチェックする必要がありそうです。
スペアタイヤ不要
スペアタイヤを乗せる必要がないので、車両の積載量が多くなる他、重量が軽くなる分上記と同様に、燃費向上につながります。
エコ
エアレスタイヤはパンクをしないのでパンクで破棄するタイヤ、つまり廃タイヤの数が圧倒的に減少し、タイヤの処分にかかるそもそもの工程や費用等削減でき、環境にやさしくなっています。
デメリットも
乗り心地
従来のタイヤに比べると、エアレスタイヤは乗り心地が損なわれる可能性が非常に高いです。というのも、タイヤのスポークが硬すぎると段差などの大きな衝撃を和らげることができないため、タイヤに大きな力が働くことにより、乗り心地悪くなります。
デザイン性
エアレスタイヤはスポークとリムが一体型になると考えられます。従来のように好みのホイールに替えててタイヤを装着したり、上記のようなおしゃれなホワイトレタータイヤが履けなくなるので、デザイン性は落ちるかもしれません。
価格
タイヤの価格は従来のタイヤの価格より高くなると思われます。というのもエアレスタイヤはタイヤとリムが一体型であることから購入価格はより高額になるのではないかと言われています。
実用化はいつ?エアレスタイヤの今後

では一体いつかエアレスタイヤは実用化されるのでしょうか?
実は、フランスのミシュラン(Michelin)がアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と提携し、乗用車向けエアレスタイヤの量産に乗り出すことが明らかになっています。ミシュランが開発したエアレスタイヤを、3年後の2024年にも量産を始め一般市場に投入する計画です。アジア市場を中心に実用化を行い、初搭載は電気自動車(EV)となる可能性が高く、将来的にはGMの複数車種に適用していく予定です。
また、国内だとトーヨータイヤが早ければ2022年にエアレスタイヤの量産体制を整える予定です。トーヨータイヤの公式サイトによれば、既にクルマにエアレスタイヤを装着して高速走行ができるまでに到達しているとのことです。しかし、まだまだ改善の余地があり、例えば、路面の小さな凹凸がドライバーに伝わってしまうなど、乗り心地や静粛性には未だに課題が残っているようで、一般向けの販売はもう少しだけ先になりそうです。
最後に
今回はエアレスタイヤについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
エアレスタイヤとは文字の通り、空気が必要ないタイヤです。パンクしない、環境に優しい、といった従来のタイヤを上回るメリットが多くあり、今後のタイヤ業界を大きく変えることは間違い無いでしょう。
実用化の見通しについては、各タイヤメーカーはっきりと発表していないところもありますが、、エアレスタイヤはタイヤメーカー各社が技術開発競争に参加しているため、そう遠くない未来に実用化され私たちの日常に当たり前のようにエアレスタイヤが浸透していくでしょう。タイヤメーカーの今後に注目したいですね。
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